企業研究・全日本空輸(ANA)

就職活動・全日本空輸(ANA)

就活生に大人気の「全日本空輸(ANA)」。毎年様々なメディアが発表している人気就職先企業ランキングでは常にトップとなっています。華やかな航空業界に憧れて志望する人は多いのではないでしょうか。
今回は「全日本空輸(ANA)」の企業研究を行っていきたいと思います。2018年3月期の決算報告をもとに作成しました。

全日本空輸(ANA)とは

日本の航空業界を代表する企業であり、航空運送事業を主軸としています。航空運送事業は国内外を目的地とした飛行機を使用した旅客や貨物の運送のことです。
全日本空輸は1952年に航空運送事業を開始し、日本の航空業界の黎明期から活躍しています。現在では、国内における売上高、座席キロ、旅客キロ、旅客数で1位となっています。年間で5390万人の人がANAの飛行機を利用しており、世界では国内線輸送旅客数第10位、国際線も含めた総輸送旅客数第14位となっています。

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営業状況を競合日本航空(JAL)と比較すると2018年3月期(連結ベース)では

ANA(億円) JAL(億円)
売上 20,000 13,800
営業利益 1,645 1,745
当期純利益 1,430 1,354

時価総額は2018年12月28日時点でANAは1.37兆円、JALは1.38兆円となっています。
ANAは「2018–22年度 中期経営戦略」として、2017年度から年間平均成長率4.4%とし、売上高2.45兆円を目標としています。[1, p35]

全日本空輸(ANA)の事業内容

全日本空輸(ANA)の事業は主に4つあります。

  • 航空事業
  • 航空関連事業
  • 旅行事業
  • 商社事業
  • その他

これらの2017年度における業績を表にまとめると、

事業 売上高(億円) 営業利益(億円)
航空事業 17,311 1,568
航空関連事業 2,843 106
旅行事業 1,592 37
商社事業 1,430 45
その他 387 27

このようになる。航空事業が全体73.5%を占めており、ANAにおける主軸の事業だと言えます。

航空事業

みなさんがANAといえばイメージしやすいのはこの航空事業ではないでしょうか。飛行機を用いて、旅客や貨物を運輸するという事業です。
航空事業はANAブランドのフルサービスキャリア事業バニラ・エアPeach・AviationによるLCC事業の2つに分けられます。

事業 売上高(億円)
フルサービスキャリア 16,436
LCC 875

となっており、ほとんどがANAブランドを用いたフルサービスキャリア事業が占めています。LCCは売上高が伸び渋っているようで国内LCC事業を持つ企業は苦戦を強いられているようです。
tabiris.com

航空関連事業

 主に航空事業をサポートするために、空港地上支援、航空機整備、車両整備、貨物・物流、機内食、コンタクトセンターなどの事業を展開しています。

旅行事業

旅行事業もみなさんにはおなじみかと思います。 旅行事業では、個人や法人のお客様を対象に航空券を販売する「航空セールス事業」と、ANAグループの航空運送サービスや宿泊などを素材とした旅行商品の企画・販売を行う「旅行事業」を展開しています。

商社事業

商社事業では、航空機部品の調達、航空機の輸出入・リース・売却、機内サービス・販売用物品の企画・調達などを展開しています。

その他

その他においては、ビル管理、人材派遣等の事業を展開しています。

今後の経営戦略

全日本空輸(ANA)が自社の取り巻く環境から今後の経営戦略を以下のようになっています。

  • エアライン収益基盤の拡充と最適ポートフォリオの追求
  • 既存事業の選択・集中と新たな事業ドメインの創造(ノンエア事業)
  • 社会的価値と経済的価値の同時創造
エアライン収益基盤の拡充と最適ポートフォリオの追求

ANA国際線旅客事業は首都圏空港ディアルハブの完成型を目指して積極的な路線を展開。日本経由の路線を増やすとともに、未就航エリアへの路線拡大を目指す。またANA国内線旅客事業はミレニアル世代や訪日外国人による国内線利用を促進することにより、需要の底上げを目指す。貨物事業は、中長期的に需要の拡大が見込まれるアジア=北米間への大型フレイターの導入を目指す。
LCC事業は国内の需要開拓や訪日外国人の囲い込みなどを行い、主軸事業を目指す。

既存事業の選択・集中と新たな事業ドメインの創造(ノンエア事業)

既存事業の選択と集中を行い、ノンエア事業のポートフォリオを再構築を行う。

おわり

以上となります。